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庭の散策はとても楽しく、目に入るのはどれもリアスの興味を惹く物ばかり。
目を輝かせて、それらに見入った。
色とりどりの花も美しく、道ばたに生えている花を摘んでいるうちに、気付けば見覚えの無い場所まで来ていた。
そこは鬱蒼と茂る樹々の中にぽっかり開いた空間。
光の下に小さな白い花が群生していた。
可愛らしい花に夢中になっていたリアスが我に返ると、辺りの樹々に隠され館の場所は分からず―――。
次第に心細くなった。
兎に角その場でじっとしていても助けは来ないと、幼心に思った。
方向も分からぬままに彷徨い、やがて歩き疲れた頃。
リアスは再び小さな広場に戻ってきた。
樹々の間に見えた光が、先ほど居た場所だと分かった落胆は大きい。
気丈に振る舞っていたリアスの心も折れ、とうとう泣き出してしまった。
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