3人が本棚に入れています
本棚に追加
/78ページ
「友達…」
真也が小さく呟く。
紅咲は軽く下に向いて笑顔を作った。
また友達が増えた、と思っていた。
「さぁ早く帰ろうではないか。外で待たせているからな」
「おい、えーと…チビ」
真也が誠に向かって言った。
「誰がチビだ!ボクは誠だ!ま、こ、と!」
さっき言ったばっかりだろう、とまた腕組みしてふてくされていた。
わりーわりー、と頭をかきながら真也は誠に謝る。
「誠くん、誰を外に待たせてるの?」
「紅咲も“くん”付けはやめてもらおう。ボクは誠だ」
つーん、とそっぽを向いてしまった誠。
真也はやれやれという顔をしながら誠に問う。
「なぁ誠、誰を待たせてるんだ?」
「それオレも気になった」
ん、と反応した。
そしてあぁ、となって2人の方に体をむきなおした。
「家の者だ」
「誠、お前家遠いのか?」
すかさず真也が再び問う。
君は質問が多いな、と言ってからまた話を続ける。
「そんなに遠くはないが、迎えに来てもらっているんだ」
へー、と2人は反応した。
今時送り迎えかよ、と真也が誠につっこんだ。
最初のコメントを投稿しよう!