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「誠…は足とか悪いの?」
本当今時ないから、と付け足ししながら紅咲は誠に聞いた。
「まぁこれば分かるさ。さぁ行こう」
そう言いながらカバンを持ってスタスタ玄関に向かって歩き出した。
そのあとを2人が追いかける。
玄関を出て見た光景に紅咲と真也は絶句した。
「な…んだ…これ」
紅咲と真也はハモるように一緒に言葉を発した。
『お迎えにあがりました、お坊ちゃま』
十数人の人が道の両脇に立って一斉にお辞儀をしていた。
「友達が出来た。紅咲と真也だ」
誠がそういうとお辞儀していた十数人の人が一斉にこっちを見てきた。
紅咲と真也はびっくりしてお互いに抱き合った。
「ど、ども…」
2人は苦笑いしながらお辞儀をした。
「何してる。さぁ来たまえ」
誠はせかすように2人に言った。
そこへ真也がずかずか誠のとこまで行って誠の手を引っ張った。
紅咲は真也の後を追った。
その衝撃で誠は小さく悲鳴を吐いた。
「痛っ…な、なにするんだ!」
「俺ら、友達だよな。なら歩いて帰ろうぜ」
誠は真也の方を見ながらきょとんとしている。
真也の顔は真剣だった。
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