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…って、何昔の出会いを思い出してるんだ…
紅咲は急に恥ずかしくなって顔を隠すように覆った。
そうだ、こいつらは中学からずっと一緒だ。
紅咲の隠した顔が赤くなって笑った。
「さっくー!全部あったぜー」
呼ばれた紅咲は顔をあげて真也と誠の方を見た。
そこには綺麗に“7並べ”した跡があった。
1からKまで全て揃った状態で置いてあった。
「おぅ」
紅咲は足早に2人の方へ向かって歩いていった。
ボクが再び勝利したぞ、と腕を腰に当ててふふんっと鼻を鳴らした。
ちゃんと全部あったぜ、と真也がトランプを集め始めた。
すかさず誠も手伝った。
紅咲はしゃがんでカードを一枚とって、笑った。
それを見ていた誠が持っていたカードをバラバラ落とした。
「こ、紅咲…」
紅咲がカード見てにやついてるーっ、と手を顔に当てて誠が叫んだ。
まじかよー、と紅咲をツンツン指で指しながら真也がせかした。
「なっ…えっ…に、にやついてなんかないっ!」
あやしいー、と2人に言われながらも紅咲は違うと精一杯手を振った。
紅咲の顔が耳まで赤くなっていた。
そんなとき、学校のチャイムが鳴った。
「やべっ!鳴ってる!」
真也が慌ててトランプを束ねて紅咲に渡した。
「ほいっ」
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