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「…と言うわけなのです。御理解いただけましたでしょうか」
この誠の口調を聞いて真也が紅咲に言う。
「なぁさっく、お前親父に敬語使ってるか?」
「え?あぁ…いや、使ってない。父上って呼んだこともない」
「だよな、俺は親父って呼んでるからあんな言葉づかい使うと全力で拒否られる」
てめーってな、と真也がケタケタ笑いながら言う。
それを聞いて仲良くてなによりだ、と紅咲が言った。
すると誠の話が終わったらしく、携帯電話をパタンと閉めた。
「どうだった、誠」
紅咲が笑顔で誠に聞いた。
「別に大丈夫だそうだ」
良かったな、と誠が紅咲に言う。
じゃ描こうぜ、と真也が机に座って紙を取り出し、紅咲の筆箱を出した。
その中からシャーペンを人数分出す。
こいつ何本持ってんだよー、と小さくつっこんだ。
誠が紅咲の顔があまり笑ってないのに気が付いた。
「どうした紅咲。描かないのか?」
貴様が言い出したんだぞ、と言いながら紅咲の腕を掴んで机の方まで連れて行った。
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