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「…田沼…圭(たぬまけい)です」
宜しく、とお辞儀をした圭は紅咲の隣にいた男だった。
クラスの女子がざわめいている。
圭の髪の色は黒じゃない。
あれは女子から見たら格好いい分類に入るらしい。
オレと同じクラスだったんだ…
紅咲がそう思っていると宮川に指を指された様に見えてびっくりした。
「田沼は山本の隣の席だ。みんな仲良くしてやれよ」
小学生のようにはーい、とみんな良い返事をした。
圭が紅咲の隣の席を目指して歩いて行くと女子の顔が圭の歩くのにつれて動いてゆく。
そして高い声でキャーキャー言っている。
そして席についた圭は紅咲の方を見た。
紅咲は見られてドキッとした。
「宜しくね」
「あ…あぁ」
そういって紅咲は目をそらしてしまった。
なんかコイツ女子っぽい。
無性に見ててドキドキする。
再びチラッと圭の方を見た。
やっぱりきれいな髪。
紅咲は圭の耳元にキラッと光るものを見つけた。
「圭くん、耳につけてるの何?」
「え…これのこと?」
そういった圭が耳についていたものを手に取り見せる。
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