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ようやくトランプを配り終えた誠は手前にあったカードを手にとり確認する。
それにつられて真也も確認し始めた。
紅咲は渋々2人につき合うことにしたらしい。
手前のカードを手に取り確認する。
「ハートの“7”から時計回りな」
と言いながら真也はスペードの7を前に出した。
続けて誠がクローバーとダイヤを出す。
紅咲がハートを出した。
「よし、じゃさっくからな」
次が誠、最後俺、と指を指しながら言って順番を確認する。
紅咲はポイッとカードを出した。
続けて誠も出す。
序盤は3人とも素直に出した。
だか中盤になり始めると止めてくる奴がいる。
「おい誰だよ、スペードの4止めてんの!」
素直に自分だ、と宣言する奴がいるわけがない。
「誰かダイヤを出したまえ!でないとボクが一番で終わらないじゃないか!」
これってある意味自分の手札を明かしてるものだ、と紅咲は思いながらも順番にならって出した。
「はい、オレ終わり」
えー!?、と2人が紅咲に向かって叫ぶ。
こいつらは叫ぶと遊ぶしか脳がないのか…と思ったが口には出さなかった。
紅咲が出した最後の手札は“スペードの4”
「何だよ、4止めてたのさっくだったのかよー。言ってくれたって良かったじゃないかー」
「あのな真也、そんなこと言ったら自分の手札を相手にバラすのと同じ行為なんだぜ?普通言わねーよ」
呆れ顔をする紅咲だったが真也はキョトンとしている。
「じゃあれは普通じゃないのか?」
真也が指を指す。
紅咲は指された方をみてやった。
真也が指さした先にいたのは1人呟く誠の姿だった。
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