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光でキラキラしているのがきれいに思えた。
それはイヤリングだった。
「これは母の形見なんだ」
あははは、と可愛く笑った。
紅咲は圭の顔を見て苦笑いだが笑い返した。
「これを持ってないとおれじゃない気がして…母が死んでからずっとつけてるんだよ」
ほら光当てるときれいでしょ、とイヤリングを光に当てた。
光加減で色々な色がうつる。
紅咲は暖かい気持ちになったせいか、微笑んでしまう。
そんな紅咲を見て圭も笑ってイヤリングを耳につける。
「圭くんって…優しい人だね」
「…え」
紅咲はこの言葉を言ってからすぐ圭のいる方の逆側に向いた。
圭が見たときにはもう耳で赤くなっていた紅咲がいた。
「そういえば君の名前はなんていうの?」
そう聞かれて逆側向いたまま答えた。
「…紅…咲。紅咲です」
「じゃ紅ちゃんだね」
紅ちゃん!?
紅咲は初めて“ちゃん”付けされてドキドキしている。
…こいつやるな…
誠に負けないくらいの子供だと紅咲は確信した。
放課になり、予告通り真也と誠が6組に遊びに来た。
ひょこっと扉から顔を覗かせて紅咲を探す真也と誠。
2人の前にずーんと紅咲が立った。
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