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「友達って言うか…オレの名前言ったら紅ちゃんっていきなり呼ばれた」
これは極端なスキンシップだよな、と紅咲が真也に愚痴っていた。
「なっ!真也もそう思う…だろ…?」
紅咲が真也の顔を見たら目がキラキラ輝いていた。
これは引いてしまう。
紅咲はもたれていたのを止めて真也の肩に手を置いた。
「待て真也…」
「俺も行ってくるっ」
そう言ってきゃっほいと声を出しながら人だかりへと行ってしまった。
「全く…あいつらは…もう」
紅咲はどうすることも出来ずその場に立ち止まっていた。
すると人だかりからもこもこと出てきたのは圭だった。
圭の目には軽くだが涙が溜まっていた。
「ここ、紅ちゃ~ん!」
わーん、と助けを求める声を出しながら紅咲に近づいて紅咲の後ろに回り、紅咲を盾にする。
「紅ちゃんっ!助けて」
マジで今にでも泣き出しそうな勢いで言った。
すると紅咲の予想していた事が的中した。あの人だかりがこっちに向かってやってくる。
「あぁもう、お前はオレの何なんだよ」
ふぅとため息をついた。
でも圭は紅咲の後ろでキョトンとしていた。
「え?だっておれら友達でしょ?」
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