罰ゲーム

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「ちょっ…先生!?」 羨ましい長身だ。180はあるだろうか。あの中に楽勝に入っていく比良に尊敬と軽い嫉妬心が生まれる。 「だ…大丈夫だ。俺もいつかあれくらいに…」 そう自分に言い聞かせ、拳をぐっと握りしめた俺の目上にぶら下がってきたやつにはっ、と我に変える。 顔をあげると目の前ににっこりと笑った比良が買ってきたものを俺の顔の前にぶらさげていたのだ。 微かなマヨネーズの匂い。 「これ…」 「丁度残り2つでした。危なかったですね」 比良はそういうと俺に2つのうちの一つを渡した。若干俺のツナパンの方がツナの量が多い気がする。 「……先生有難う」 だから素直にお礼もいえた。それを比良はにこりと笑って『いえいえ』と言う。 なる程、女子に好かれ人気な理由がなんとなくわかった。男子の僻みも妬みもない理由もわかる。 「先生…これ」 ごそごそとポケットの中から小銭を渡す。しかしこの先生はどこまで心が広く優しいのか。 「オススメなパンを教えてくれたお礼なのでお金はいりませんよ」 と言う。 これが大人の余裕というやつだろうか。懐が広くて貧乏高校生には羨ましい限り。 だからタダで貰えるのなら有り難く貰おうではないか。先生が良いというなら。 「そ…それじゃ……有難うございます」 「こちらこそ有難う」 「……」 礼儀正しくてあまりいない先生。偉そうじゃない分、好感が持てる。 友達感覚なような居心地の良さ。 しかし……それが返って俺には胡散臭くみえたのだった。 .
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