ブレスレット

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 「よう。二人とも男臭せぇから近づくな(笑)」  そんな二人を見ていたアレイがニッコリしながら歩いてきた。  「だったらなんでお前の方から来るんだよ」  雷が突っかかるとアレイは素知らぬ顔で受け流した。  「んで?ホントに転んだだけなのかい?一樹」  アレイも珍しそうに五木の足を指して言う。  五木はこの学校では優秀な生徒なのだ。銃技、剣技、拳技、知力どれもが10番目以内に入れるほどのエリート。  そんな彼が足を階段なんかで捻るとは思えない。  「なんか、やらかした?」  アレイが引っ掛けると一樹はピクリと肩を震わせた。  「ありゃ?ビンゴだった?」  アレイがケラケラ笑う。  「・・・どうでも良い事だ」  一樹は無理にでも誤魔化す。だが、アレイは見逃さない。  「どうでもよかねぇだろ?俺ら友達じゃねえか話して見ろよ?な?」  「・・・話してもアレイには話からねぇよ」  「あ゛?どういういみだこらっ💢」  「俺もよく状況が飲み込めねぇんだから話しても意味がねぇってだけだ」  「んなもん言わなきゃわからねぇに決まってんだろ?💢」  「おい。アレイその辺にしておけ。」  雷が見かねて二人の間に入る。  「すまない雷。迷惑かけた」  「気にするな。仲間同士の喧嘩は見たくないだけだからな」  雷の口調に少し棘があると感じ、またすまないと謝った。  アレイはまだブスッとしていたが、引き下がってくれた。  あの時の出来事を理解出来ていないのは確かだった。  人の形をした何かが襲いかかってきた時、アイツ等には俺の持てる技術は通用しなかった。  銃技も剣技も拳技も通用しない。  ただ残っていた知力を振り絞って出した答えは化け物で、俺には逃げるしかできないってことだけだった。  ただ、無様に逃げ回るだけ。  あの少女が来なかったら死んでいたかもしれない。  滑稽だな・・・っと少し自嘲気味に笑うしかなかった。
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