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細かい雪が舞い、肌寒いが透き通った青い空。
本日から3学期が始まるという1月7日。
朝の日差しが目を刺すように眩しい。
彼女はチャイムに急かされながら走り、教室に飛び込んだ。
がやがやと生徒たちの言葉が、教室中に充満している。
辺りを見回すと、教室がいつもより騒がしい。
何かイベントでも起こるのかと、彼女は思考を走らせるが、低血圧な彼女の朝は、頭の回転などしているはずもない。
何が何だかわからないまま自分の席についた。
「おぉ、ぎりぎりセーフやん。蒼子おっはー!」
席に着くと、声がかけられる。
蒼子と呼ばれた彼女は、声がした方向を見る。
「……おはよう、綾瀬」
金髪に染めた髪が特徴的な、彼女が綾瀬と呼んだ少年が人懐っこい笑顔をみせている。
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