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み~んみんみんみぃぃ~…
遠くで夏を実感する音が聞こえる。
そして、休日だと言うのに何もしない人間「ユウタ」。
寝ているのか日差しのあたる窓の下で汗をかきながら横たわっている。
その横でちゃっかり影に入っている猫「ナナ」。
窓は全開だが風は無い。
頭の上でボロボロの扇風機が異音をたてながら唸っている。
「……あっ…ちぃ~…」
目を瞑ったままユウタがそれだけ言うと
「…うっさい。言葉にするのも暑苦しい…」
同じく目を瞑ったままのナナが言う。
猫(ナナ限定)と会話できる人間ユウタ。
旗から見ればただの独り言。
ナナ「…ねぇ。」
ユウタ「ん?なに?」
ナナ「近所の子(猫)が言ってたんだけど…ひんやりしているマットがあるんだってぇ。」
ユウタ「へぇ……。それはいいねぇ…。」
あくまで他人事なユウタ。
遠まわしに何が言いたいのか察した。
ナナ「…ほs」
ユウタ「駄目。」
即座に言葉をかぶせるユウタ。
ナナ「…なんでょ?いいじゃん。涼しく快適に寝れるんだよ?」
ユウタ「商品は知ってる。
しかも涼しくなるのはナナだけやん。」
ナナ「んむ~…じゃぁ、クーラー買って。
そして、このうっさい扇風機を黙らせて。」
ユウタ「…そんなお金がどっから出てくんだょ…」
ナナ&ユウタ「…はぁ~…」
希望と却下を繰り返した二人は真夏の昼前からダラダラ過ごしていた。
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