第2章

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何日か経ち学校にも慣れてきた頃、委員長が台本を書き上げてきた。 内容はまぁ普通のシンデレラ。唯一違うとすれば魔法使いは男って所だ。 まぁ魔法使い役の奴は女装しても女に見えねぇ奴だしな。 ん?健斗と日向?あの二人も似合わねぇけど、良いんだよ。 あまり時間もないため、台本を片手に練習が始まった。 僕は途中からしか出ないので、見学していた。 因みに監督は委員長。 意外と鬼だ。健斗と日向はノリノリでやる分良いんだが、台詞が明らかに違うという所が多くて話が進まない所を怒られ続けていたし、秀哉は嫌々やっていたためとても怒られていた。 気が重いな。マジで。 途中で僕の出番が来た。と言っても、秀哉に話しかけて一曲踊るだけ。その後、秀哉が去るシーンがあるが今日はそこまでしないらしい。 場面は秀哉が会場にきた所から始まった。 「美しいお嬢さん。僕と一曲踊っていただけませんか?」 台詞を言って動きをつけただけなのだが、秀哉が、いや周りが一瞬止まってしまった。 そこで委員長が止めた。 何かした? 「海翔くんって劇初めて?」 そんなに酷いか? 「あぁ。」 内心ビクビクしながら答える。 「マジで!?上手すぎ!」 え? 「俺、男なのに一瞬ドキッとしちゃったじゃんか。何か悔しい……」 は? 委員長→秀哉の順で言われたが、ついていけていない僕。 「えっと、つまり?」 「「演技上手すぎって事!!」」 ついていけない僕は誰ともなく尋ねたのだが、周りは声を揃えて答えた。 なら、このままで良いのか? とりあえず、そう納得する事にした。 その後、練習は再開した。
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