第1章

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担任の話も終わり、三人で寮へと向かった。 言い忘れていたが、柳青高校は全寮制の男子校だ。 それに、金持ちが集まるんだ。僕は貧乏だけど。 だからか、校舎も寮も豪華だ。 寮長から鍵を貰うと三人共五階だったので、三人でエレベーターで五階へ向かった。 507号室。 鍵と部屋番号を確認して、中へと入る。 健斗と日向は510号室だった。 僕と同室って誰だろ? 中に入るとまだ同室の人は居なかった。 玄関近くに一つ部屋があり、玄関の前はリビングに左はキッチン、奥の方に部屋がもう一つあった。 まだ同室の人居ないので勝手に部屋を決め、玄関近くの部屋へと入り荷物を整理した。 部屋には机とベッド、クローゼット、本棚が置いてあるだけのシンプルな部屋だった。 あまり荷物も持ってきていないので整理は早く済んだ。 整理が済んだくらいに玄関が開く音が聞こえた。 部屋のドアを開けて、玄関の方を見ると知らない人が居た。 「同室の人?」 とりあえず聞いてみる。入るとき名前があった気がしたが……覚えていない。 「お前が石城海翔?」 「うん。お前は?」 「同室の柳瀬。柳瀬秀哉(ヤナセシュウヤ)。」 秀哉はそう言って笑った。何か名前と顔が合わない奴だな。 第一印象がそれだった。 秀哉は可愛い女顔で身長も僕の肩ほどしかない。 「どした?」 「いや、顔と名前が合ってないなって。」 「失礼な奴だな……気にしてんだよ!」 黙ってる僕を心配して声を掛けてくれたんだろうが、僕はつい思った事が口に出ていた。 あ……気にしてたのか。 気付いたら遅いって事はよく有ることだ。 「悪い。つい。」 謝ると口を尖らせながら「良いけどさ!」とか言っていた。 正直女に見える。
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