第1章

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「何か作ってやるから。何が良い?」 未だに怒り続けそうな秀哉に僕がそう言うと、秀哉は笑顔になった。 「チョコケーキ!作れるか?」 「余裕。」 冷蔵庫を開けてみると、何故か材料が揃っていた。 何故、と秀哉に聞くと、入学式の後に入れとくようにお付きの奴に頼んでいたそうだ。 金持ちは違うな…… そう思いながらも手は動かして、チョコケーキを作っていく。 その作業をしている間に、秀哉は部屋の整理をしてきたらしい。 作り上げたので秀哉に見せると、目が輝いていた。 「スッゲー旨そう!な、早く食おうぜ!」 「おぅ。あ、じゃさ510号室の健斗と日向って奴連れてきてよ。僕、紅茶入れるから。」 にこやかに言ってくる秀哉に流石に二人じゃ多いと思った僕は二人を呼んできてくれるよう頼む。 秀哉は即答して呼びに行ってくれた。 後は紅茶をカップに注ぐだけって所で秀哉が二人を連れて戻ってきた。 「お、いらっしゃい。」 「おっ邪魔ー。」 「え?これ、海翔が作ったのか!?スッゲー旨そう。」 日向は作ったケーキを見て、感想を述べていた。 正直嬉しい。 紅茶を注ぎ、皆にケーキを切り分けると秀哉は旨そうに食べ始めた。 僕は途中まで食べたら、お腹一杯になったので秀哉にあげた。 二人は食べてしまった。 よく食えるな……特に秀哉。ホールケーキの四分の一と僕が残した四分の一の半分だから、ホールケーキ八分の三だな。 うん、無理。 食べ終わった秀哉は凄く満足そうだった。 「海翔って料理上手だな♪」 「サンキュー。また何か作ってやるよ。」 「マジか!?やりー♪」 僕がそう言うと、秀哉は本当に嬉しそうに笑った。
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