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魔王の奴らは、スカーレットの一喝に、ただ怯えた。
気迫……いや、脅したと見てとれる言い方のせいだろう。
「貴様ら……邪魔をすれば一人一人の大事な物を粉々に破壊してやるぞ……」
俺は構わず下がり、空中にとんでスカーレットに頭と頭を向けるように逆立ちをし、爪を奮う。
それを流し、体も流れ、それを利用し、足の爪を使った蹴りを繰り出す。
流石にその攻撃だけは流せず、魔王の団体に飛ばされる。
着地をし、スカーレットを見る。
「……貴様たち……予定より早いが……始めろ……」
腕を使わず、足を使っただけで起立し、俺だけを睨む。
レイピアを掲げ、次の言葉とともに、魔王たちは瞬時にその場から離脱した。
「スカーレット・ムーン」
なにかから逃げるように魔王は次々と逃げていく。
いつの間にか、ザワザワとしていた広間が、怖いくらいの静寂を取り戻していた。
今、ここにいるのは、俺とスカーレットだけだった。
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