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「ふん! なんなのよね! もうあんたでいいのよね、スノウ!」
ベンダーは矛先を変え、スノウを見遣る。
「どのみち、裏切り者は廃除なのよね!」
「…………」
「ん? もしかして、怖くなっちゃったのよね?」
「……オレはよ……自分が認めたって思う居場所にしかいないんだよな……」
「……はぁ?」
「ここへは、面白いと思って……わざわざ自分で自分の神器作ってさ……ここまで昇り詰めたけどよ……やっぱり、詰まんねぇ……」
「スノウ、あんた何が言いたいのよね!」
「でもな……あいつに会って……そんなモヤモヤが消えたんだよな……」
「……いい加減にするのよね!」
言った途端、ランドセルが開く。
茶色く、細い蔦が現れる。
「これは、触れた物の養分と水分に感染して蔦を生やすのよね! あんたなんか蔦塗れになっちゃえ! なのよね!」
「……だから」
「だから、オレは一生鳴海に着いて行こうって、決めた」
気がつけば、スノウの手が振りかざされていた。
やがて白い雪が降り、それに触れたベンダーは――――氷のオブジェとなった。
「あばよ、元・ベストプレイス」
スノウはそれを蹴り壊すことで、切り捨てたのだった。
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