生きる姿ほど格好良いものはない

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横長な、無いはずの鍔の部分が俺の額に付き、銀色に光る髪が腰辺りまで急激に伸びる。 「父さんや母さんが死んで……失って……いらないって思っていた物が……また、傍に出来てた……」 紅いアーマーが胴体に装着されると、心臓の部分に紅い球体が出現する。 「知らない間に……俺にとって、かけがえのない奴らになっていた」 腕にも紅いアームが取り付けられるが、手の部分は獣を思わせるかのように鋭く、酷く長い爪が出来上がる。 「今なら言える……あいつらに会えたことへの、俺の正直な気持ちが……」 両腕に同じように爪が出来、足もコーティングされ、腕に負けないくらいの爪が生えだす。 頭部の鍔が、形を変えてヘルメットのようになり、牙を彷彿させるような二本の牙が頭から顔にかけて出来る。 「でも……そんな愛が今、消されようとしている」 倒れるように前のめりになってゆく。 「今まで、俺を守ってくれていた愛……そこで、俺は、たった一つの方法を見つけた」 しかし、それは両腕で床につくことで事無きを得た。 「……守るんだ、俺が。 俺の純粋な……力で」 やがて、獣眼でスカーレットを睨む。 「神器……クラウン・メーデー……ビーストアウト……」 _
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