12人が本棚に入れています
本棚に追加
「ところで兄ちゃん、肉は好きかい?」
ご主人はカウンターから少し身を乗り出して話しかけてきた。
「ええ。牛肉が大好きです。自分でさばきたくなっちゃう位ですから。」
笑顔交じりで俺は答えた。すると、その答えを聞いたご主人は、ニコッと笑い。再び口を開いた。
「アルバイトとかはどうかな?」
「え?」
予想外の発言だった。
「いや、最近不景気だろ?色々とウチも困ってんだよねぇ~。」
笑顔を絶やさずご主人は言う。冗談かと思った。でも、前から精肉店には興味があった。
でも俺は会社員。暇がそんなにあるわけではない。
「働きたいのは山々ですが、会社の時間などで、バイトに来られるかどうか…。」
「いつでもいいんだ。時間が空いた時に来てくれれば。あ、でも来る時は前もって来ると言っておいてね。」
そんなのでいいのか?そんな自由に時間を決めれて、自由に仕事して、お金が貰える。
正直、最高だと思った。
最初のコメントを投稿しよう!