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  「ところで兄ちゃん、肉は好きかい?」   ご主人はカウンターから少し身を乗り出して話しかけてきた。   「ええ。牛肉が大好きです。自分でさばきたくなっちゃう位ですから。」   笑顔交じりで俺は答えた。すると、その答えを聞いたご主人は、ニコッと笑い。再び口を開いた。   「アルバイトとかはどうかな?」   「え?」   予想外の発言だった。   「いや、最近不景気だろ?色々とウチも困ってんだよねぇ~。」 笑顔を絶やさずご主人は言う。冗談かと思った。でも、前から精肉店には興味があった。   でも俺は会社員。暇がそんなにあるわけではない。   「働きたいのは山々ですが、会社の時間などで、バイトに来られるかどうか…。」   「いつでもいいんだ。時間が空いた時に来てくれれば。あ、でも来る時は前もって来ると言っておいてね。」     そんなのでいいのか?そんな自由に時間を決めれて、自由に仕事して、お金が貰える。     正直、最高だと思った。  
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