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「え?」
浅巳は俯いている。
「何?どうかしたの?」
その言葉に反応した浅巳は、顔を上げた。
「自慢しに来たの?自分が泳いだり、走ったり出来る事を自慢しに来たの!?いつも思ってたけど、迷惑なんだ。最近は自分のコンプレックスを考えるようになって、夜になったら傷も疼いて痛いし…。そんな話するせいだよ!もう聞きたくない。……帰ってよ。」
そう言って浅巳は背中を向け、ベッドに横たわった。
「……ごめんね。」
ひと言かけた私は、床中に散らばった写真を適当に集めてカバンにしまい、足早に家を出た。
私は一人で悩んだ。全部私のせいだったんだ。元気付けようとしていた行動は、反対に浅巳を傷つけていたんだ。私の鼓動は高鳴り、頭痛が始まった。
どうしよう。どうしよう…。どうしよう……。今日あんなに傷つけたんだ…。私がどうにかしないと…。
ふと、雑誌が目に入った。
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