731人が本棚に入れています
本棚に追加
/424ページ
「おはよ」
そっけなく返事したのは、栞だった。
あたしは瑛士を見つめて、また込み上げる涙を止めるのに精一杯だ。
丁度タイミング良く担任が入って来て、朝のHRを始めようとした。
栞はしぶしぶ自分の席に着いて、心配そうに振り返った。
「………ごめんな」
瑛士の口から、かすかに聞こえた言葉。
多分、あたしにしか届いてない。
ビックリして横を向くと、気まずそうに黒板を見つめてる。
.
最初のコメントを投稿しよう!