偽愛-gi-ai-

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白雪:『白鳥はどうしたの?』 と、テーブルに肘をついて手に顔を乗せる。 赤頭巾:『自分の醜さに陶酔した姫君?』 と、煙草に火を。 Alice:『クスクス…違うわよ♪醜さから生まれ変わった自分に陶酔した姫君よ♪』 歌うように毒を吐く。 魔女:『どちらにせよ、彼女はナルシスの泉に映る…そう、自分しか見てないわね』 と、ブラッドベリーケーキを切る。 ラプンツェル:『来ても紅茶の水面を見つめてばかりじゃないの』 と、髪をなぞる。 赤頭巾:『白雪と変わりはないじゃないのさ』 と、煙草の火を垂らす。 白雪:『あら、私が国で一番美しいのは鏡が証明してるじゃない』 と、紅茶を継ぎ足す。 Alice:『中身は真っ黒でも♪鏡は表面しか映らないものね♪クスクス♪』 と、スプーンで紅茶をぐるぐる回す。 魔女:『王子が死体愛好じゃなきゃ全て白雪の思い通りに進んだのに…残念だわ』 赤頭巾:『義母は役立たず、王子もつまらないモノね』 Alice:『私にわ関係ないわ♪』 白雪:『あら…所詮、私達は肉欲担当だもの』 フーッと、煙を吐く。 ラプンツェル:『クスクス…』 偽愛の中の真実すら見ず 表面しか見ない王子は所詮は盲目ね。 恋は盲目とは、ママがよく言ったものね。
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