メリーさんの原点

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もしもし、 美奈です。 いつもみたいに 明るくかわいい声で 電話に出た。 すると 《わたしの妹知らない?》 と聞かれた。 最初はなんのことか 全然わからなかった。 だから美奈ちゃんは (知らないよ) と答えた。 そしたら 電話はブツリと切れた。 受話器を戻して なんだったんだろう と考えながら お人形さんと遊んだ。 そしたらまた、 プルルルルー、プルルルルー、 電話がなった。 美奈ちゃんは お母さんだと思って 元気よくでた。 しかし 電話の奥から 聞こえたのは 女の人の声だった。 そう、 さっきと同じ人だ。 そして、 電話からは 《あのね。 わたしの妹知らない?》 同じ質問だった。 だから (知らない) とこたえた。 すると 《嘘だよ。 わたしの妹、そっちにいるじゃない》 そう言ったのだ。 美奈ちゃんは 背中がゾクッとした。 わたしのおうちに わたし以外誰もいないのに いると言ってきたのだから… そして電話は切れた。 受話器を戻して またすぐに電話がなった。 プルルルルー、プルルルルー、 美奈ちゃんは お母さんだと思って また電話に出た。 でも 電話から聞こえたのは また同じ声。 美奈ちゃんは こわくなった。 でも、ちゃんと出た。 すると 《今ね、あなたのおうちの 隣の家にいるの》 そう言って 電話は切れた。 受話器を戻して またすぐに電話が鳴った。 美奈ちゃんは こわくて電話に出たくなかった。 でも、お母さんかもしれない と思って電話に出た。
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