学校の怪談のメリーさん

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《学校の怪談の場合》 とある学校で噂になっているメリーさんのお話です。 “メリーさんからの電話” 1年4組の担任の田島は、 その日、宿直の当番であった。 12時を回り、 宿直室で仮眠をしていた田島は 目覚ましのベルにたたき起こされた。 見回りの時間なのだ。 痛む腰をさすりながら ふらふらと立ち上がり、 壁にかかっている 大きな懐中電灯を手に取った。 「やれやれ。年をとると、 あちこちが痛むわい。」 定年まぢかの田島は、 ため息まじりにつぶやいた。 持病の腰痛に加えて、 右足のひざにも変な痛みが走ったのだ。 その時、 遠くで雷の音が聞こえた。 「嵐が来たか…」 田島は立て付けの悪い木の扉を、 ガタガタといわせて開き、 地下の宿直室を出て1階にあがった。 洞窟のような暗い廊下がまっすぐ伸び、 窓の外では大きないちょうの木が 風にユサユサとゆれている。 誰もいない深夜の運動場には、 雨が激しくたたきつけていた。 稲妻が光り、 田島の猫背の影が 壁にくっきりとうつしだされた。 ギシッギシッっと木の床をきしませて、 廊下を歩いていくと、 壁に飾ってある生徒たちの絵が、 懐中電灯の明かりに照らされて、 無気味に輝いて見えた。 なぜ、 子供たちは夜の学校を恐れるのだろうか…。 ふと、田島はそんなことを考えた。
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