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田島は、
腹をたてながら受話器を取った。
「もしもし」
(わたし、メリーさん)
「いったい誰だね」
(わたし、メリーさん。
今職員室の前にいるの)
ブツリ、と電話は切れた。
「・・・・・」
田島は、ゆっくりと
職員室の開いた扉をふり返った。
またもや大きな雷が鳴り、
一瞬、蛍光灯の明かりが切れ、
すぐにパッとついた。
悲鳴をあげそうになるのをこらえ、
おそるおそる廊下に首を出してのぞいてみた。
そして、
リリーン、リリーン、
今度は廊下の奥から
けたたましい電話の音が聞こえてきた。
玄関脇の公衆電話だ。
懐中電灯の丸い光で
その電話を照らし出し、
ギシギシと床をきしませながら
小走りでかけていった。
「もしもし!」
田島は怒った声で受話器を取った。
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