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「さて、学校行きましょう」
「よっし! 行こう春ちゃん!」
そのまま手を繋いだまま歩き出した俺とくるみ先輩。別に他意はない。ただのノリで動いてる。
「……くるみ」
「ん? あ、皐月じゃあないかい」
また言うが白々しいな、この人。まあ、皐月をからかうためなんだろうけど。
「……あんたも何手ぇ繋いでんのよ。さっさと離しなさいよ」
「妬いてるのぉ?」
「べ、別にそんなんじゃないし。あたしはくるみを守ろうと…」
「じゃあ春ちゃんに守ってもらうからいいや」
そう言ってくるみ先輩は腕をこれでもかと言うくらい抱き締めてくる。それに「むむむ…」と皐月は頬を膨らます。
「は、離れなさいよ」
「やだよー」
「あ、あんたも鼻の下伸ばしてんじゃないわよ。何よ、デレデレしちゃって…」
「デレデレしてないから…」
まあ、いつまでもこのままで居るワケにもいかないので、やんわりと引き離す。
「あぁん」
「ほら、からかうのも程々にして行きますよ」
「はーい。皐月は真ん中ね」
「ちょ、えぇ?」
何故か皐月を真ん中に、俺達は学校へと向かう。
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