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「春斗だけずりぃなぁ」
HR終了後、太一は机に顎を乗せて呟く。まだ言ってやがるコイツ。てかお前には百合という彼女が居るじゃねぇか。
「春斗、知ってっか?」
「何を」
「百合な、加奈ちゃんにベッタリで構ってくれないんだぜ?」
「ふっ…」
鼻で笑ってやったぜ。それに太一は勢いよく立ち上がり、ビシッと指を差してくる。
「お前のせいだかんな!」
「百合があいつにベッタリなのは今に始まったことじゃないだろ。だから俺は悪くない」
「いいや悪い」
「つーか俺に文句言ったってしゃーねぇだろ。俺、百合の殺すリストNo.1だし。本人に言え本人に」
しっしっ、と手を振り、頬杖を突いて外を見た。太一だけが、加奈の名前を会話に入れてくる。どうしたいんだろうな、このバカは。
「くそぅ、これがモテ男の余裕なのか…。春斗くん、僕を紹介してくれない?」
「誰に?」
「生徒会長と副会長」
「最初からそれが目的か!?」
ああ……百合と付き合ってるから忘れてたが、コイツは基本女好きだった。
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