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さりげなく太一を一瞥すると、微妙にだが笑ってるのが見えた。くそ、太一の野郎、コイツら来るのわかってやがったな。余計な事を…。 「チッ…」 ふざけんなって。鞄を乱暴に掴んで百合達とは逆のドアに向かう。しかし、案の定先回りされた。くそ、俺の方が遠い。 「春、私ね」 「俺には話すことなんかねぇよ。終わったんだよ、俺らは」 すぐ泣きそうになる。だけど知らねぇ。終わったモンは終わったんだ。あー、百合、お前邪魔だって。 「春にはなくても……私にはある」 「だから俺にはないんだよ」 「春斗、聞いてあげればいいじゃない」 「知るか」 片手で押し退け、教室の外に出ようとした。だが、腕を掴まれて止められる。 「春! お願いだから聞いてよ!」 「嫌だっつってんだよ、綾瀬」 「……っ!?」 力が抜けて、その間に教室から出た。俺以外にも、男なんて居るだろお前には。
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