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「ちょ、おまっ…股間はないだろ…」
凄まじい蹴りだった。ワールドカップ……いや、ムエタイで優勝出来るんじゃないか。勿論比喩だが、それくらい痛かったってことで。
「ふん、覗いたあんたが悪い」
「覗く気なんてなかったんだよ……不可効力だ」
「どうだか」
じとっとした視線を地面にひれ伏す俺に投げると、俺を意に介さずにテキパキと着替えを再開した。コイツ……着替え見られたからキレたんじゃなかったのかよ。
着替えを終え、スタスタと近付いて来たと思えば、目の前にしゃがんで鼻をつんつんしてきた。皐月さーん、パンツ見えてますよー。
「ふふっ、なんか可愛いわね」
「はぁ?」
「お先に。早く着替えなさいよ」
ちょん、と最後に鼻先をつんと触って、皐月はスタッフルームから出て行った。うん、可愛いと思った俺は負け組。
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