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「俺、お前に会う度にバカって言われてる気がする」
「そ、そんな言ってないわよ」
「いいや言ってるね」
慣れたから別にいいけどさ。こういう性格なんだって結論付けてるし。寧ろ快か……んにはならない。
「うぅぅ……ご、ごめん」
皐月が謝ってる? これは、天変地異が起こる前触れか? ごめん、なんて、コイツの口から初めて聞いたぞ絶対。
「どうしたよ急に。お前が謝るなんて珍しい」
「あ、あたしだって謝る時くらいあるわよ」
「……」
「な、何よ、その目は」
いいや別に。深い意味はないから気にすんな。風邪引いてんじゃないかと思っただけだから。
「は、春斗」
「うん?」
「あ、アレ、本気だから」
「?」
アレって何? 漠然と言われるとわからないんだが。
「何が本気なんだよ」
「はひっ!? ほほほ、ほら、ああ、あたしが、す、しゅきだって…」
「?」
「ここ、こく、告白の事よ」
あー、なるほど。アレって告白の事で、それが皐月は本気だと。
「いい、今そんな話しなくて、いい、いいだろ別に」
「だ、だって…」
「あーもうやだ…」
カウンターに顔を隠すようにして突っ伏した。お前、達巳さんが居る前で何恥ずかしいことを…。
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