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達巳さんのからかいから数時間後、片付けを済ませ、皐月が着替えをした次に着替えを終わらせる。外に出、マフラーに巻いてポケットに手を突っ込んだ。 「寒い…」 冬はあんまり好きじゃない。寒いし、滑るし、凍るし。まあ、娯楽は好きだけど。雪合戦は男の宿命だ。 「ね、ねぇ、春斗」 「ん?」 「あ、あの」 くいくいと袖を引っ張ってきた皐月は、袖を持った状態で小さく俯く。 「く、くくりくり、クリスマス空いてる?」 「クリスマス?」 「あ、空いてないならいいのよ?」 これは、もしかするとデートのお誘いというヤツか? まあ、普通に空いてるけどさ。俺、クリスマスなしかもだし。 「はっ」 「な、何?」 そういえば、俺は皐月に勉強教えてもらおうとしてたんだった。そのクリスマスを確保するために。雅怖い。 「皐月」 「な、何よ、改まって」 「勉強教えてください」 「は?」 じゃないとクリスマスどころじゃなくなる。
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