29/50
前へ
/427ページ
次へ
かくかくしかじかと、赤点のことと面談のことを話す。それに皐月は呆れた顔で、こめかみを押さえるのであった。 「ええと、赤点取ったらクリスマスはないし、冬休みもないと」 「イエス」 「バカとしか言いようがないわね」 ぐさり、と突き刺さる。そんなストレートに言わなくても言いじゃないか。もう少しオブラートに包んでだな。 「頼むよぉ、マジ面談とかやなんだって」 「な、なら、べべ、勉強教えたら、くり、クリスマスは一緒に居れる?」 「赤点取らなければな」 うーん、と悩む皐月。まあ、教えても赤点取らないとは言い切れないけど、たぶん大丈夫だと思う。なんせ皐月は生徒会長だからな。 「頼む」 「そ、そこまで言うなら教えてあげないこともないわ。べ、別にあんたのためじゃないから」 「いや、俺のためだろ」 何故そこで変な意地張るかな。……ふむ、なるほど。俺とクリスマス過ごしたい自分のため、という言葉の裏に隠されたデレか。……照れる。 「きょ、今日は遅いからあ、明日からね」 「おーけー」 「……やった」 聞こえないように小さく言ったようだが、皐月さん、バリバリ聞こえてますぜ。
/427ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8587人が本棚に入れています
本棚に追加