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「でね、こう、ちゅーってするの」
向かい合った状態で昼を共にするくるみ先輩と俺。俺は弁当を広げ、くるみ先輩はよくわからないアニメの話をしながらカレーを食べていた。
「もうキャーッ! どころじゃないよね。うひゃーっ! って感じだよね」
「いや、知らないですよ」
むぅ、と膨れる先輩を無視して弁当をつつく。先輩は膨れながらも渋々カレーをまた食べ始めた。
「あ、そうだ春ちゃん」
「はい? なんですか?」
「クリスマスは皐月と過ごすんでしょ? だったらイヴにパーティーとかしようよ」
「……なんで皐月とクリスマス過ごすって知ってんスか」
さらりと、「皐月が嬉しそうに話してきた」とかほざくくるみ先輩。皐月の野郎……喋りやがったな。
「よし、けってーい!」
「あー、悪いんスけどイヴは無理っスわ」
「嘘だっ!」
嘘ついたって意味ないでしょうが、と反論。ぐぬぬ、と悔しそうに顔を歪めるくるみ先輩。
「理由を述べたまえ」
「姉貴がうるさいんスよ。なんか、クリスマスもそうだけど、誕生日とか特別な日に遊びに行ったり、忘れてたりすっと拗ねてキレるっつーか」
「春ちゃんシスコン?」
「何故そうなる?」
寧ろ雅がブラコンみたいに聞こえるだろ。実際は違うけどさ。
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