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くるみ先輩とタコさんウインナー争奪戦を繰り広げた俺は、力なくテーブルに突っ伏している。 「美味しかったよ、春ちゃん」 「そうですか…」 タコさんウインナーどころか殆どのおかずがこの人に食べられた。俺はふりかけが掛かってる米しか食べてない。 「傷心中悪いけど春ちゃん」 「誰が傷心させたんスか…」 「皐月にプレゼント何買うの?」 プレゼント? ああ、クリスマスプレゼントのことか。……考えてなかったな、そういえば。 「皐月の好みとか知らないです」 「春ちゃん」 「なんの話ですか」 「あはは、皐月が居れば顔真っ赤にしてるね」 あらら、今気付いたんだが皐月がいない。くるみ先輩と皐月は常に一緒、みたいなイメージが付いてるんだが。そういや廊下で転んだ時も見てないな。 「先輩、今更だけど皐月は?」 「えっと。生徒会の顧問に呼ばれてた」 だからいないのか。妙にスッキリした気分になる。クイズ番組の出演者とかこんな感じなのかね? 「ねぇ、春ちゃん。皐月のプレゼントはぁ」 「ん、正直言うと考えてませんでした」 「皐月が聞いたら泣くよ、それ」 本人居なくてよかったー。ありがとう、皐月。 「何がありがとうなのかしら?」
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