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「最悪だ…」
四つん這いになって絶望にうちひしがれる。鬱だ……明日学校行きたくなくなった。
「ちゃ、ちゃんと誤解解いてよね」
「お前が誤解を招くような発言をしたんだろうが……ただでさえ噂あんのに、教室来るとかないだろ」
噂に拍車が掛かるだけじゃないか。もう噂どころの話じゃない、クラスメイトには完璧勘違いされた。
「う、噂って何よ」
「……知らねぇのかよ」
「ど、どんな噂?」
……俺に言わす気かよ。絶対言いたくねぇ、俺と皐月が付き合ってるって噂、なんて本人に言えるかっつの。
「とにかく帰るか…」
「う、噂って何よ。ねぇ、気になるじゃないの」
「気にすんな。めんどくさいから」
「め、めんどくさい言うな!」
埃を払って、自分のロッカーからスニーカーを出して履き替える。後ろで皐月が騒いでるけど、俺が外に出たら慌てて靴を履き替えた。
「ま、待ってよ」
「待ってるだろ」
「う、うん」
さっきまでの威勢はどうしたのか、突然しおらしくなった皐月。頬を少しだけ染めて、俺と並んで帰るのだった。
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