退屈

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「なぁ、涼(りょう)」 「あぁん? 何?」 涼と呼ばれた俺は、勝手に俺の机に座りこっちを見下ろすギャル男に適当に相槌を打つ。 学校の昼休みののほほんとした空気の中、ギャル男--圭(けい)がニヤリと気味悪い笑顔を広げた。 「今日帰り、いつものどうよ?」 小顔の童顔をしゃくり上げ、促す。 いつもので何かわかる。 俺らはこの足立高校--都内でも底辺に値するアホ学校に入ってから始めたこと。 ナンパ。 はい、彼女俺らと一緒に遊ばない~なんてノリでやっているわけではないが、退屈な日々をスリルあるものにするには充分だ。
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