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お母さんは一言ずつ慎重に話し始めた。
「愛衣、今から言う事は全て本当の事よ…しっかり聞いて。」
私はうなずいた。
「………あなたは…私の本当の子じゃないの…」
「えっ…?」
「私は働いている会社をやめて、恋人と結婚する予定だったの…信じてついていく事を決めて思い切って故郷を離れる決意もした………」
そこで一旦ため息をついた。
「でもね…結婚式の前の日に私は《結婚をやめよう》と言われたの…最初は訳が分からなかった。でも次の日…結婚式が行われるはずだった日に……彼は自殺したの………理由は分からなかった…」
お母さんの顔を見ると涙があふれていた…
お母さん…
「結婚するはずだった人が死んで、お母さん一人が責任を持つ事になったの………家にもいづらくなってとうとう故郷を離れた…」
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