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「愛衣はこれから別の家に行くことになるわ…お母さんは愛衣を離したくないけどしょうがないの……」
えっ…?
「ちょっと待ってっ!お母さんが私を引き取ったのは本当のお母さんが亡くなったから引き取ったんでしょ?!何も悪い事してないじゃない!なのに……」
「愛衣…もともと愛衣を引き取るときは条件があったの…」
はっ?
「愛衣が高校生になったら…愛衣の本当のお母さんの家に返す、って…」
「でも…やっぱりおかしいよっ!私の本当のお母さんは今はいない、お父さんも亡くなった…それじゃ返す人はいないでしょ?!」
「…お母さんはね、愛衣のお母さんとあんまり関わりがなかったの…だからこれからは愛衣のお母さんのお姉さんの家族と過ごさないといけないわ。詳しくは言えないけど…お姉さんも、本当のお母さん―…なのよ…」
「はっ?だからって…」
「愛衣っ!!!」
―ビクッ…―
「お母さんだって嫌よ!今まで愛衣のお母さんしてきたんだから…愛衣とは家族なのよ?離れたくないに決まってるじゃないっ…」
お母さんはまた泣きそうになりながら言った。
私はこの事実から逃られない事をしり、グッタリとうなだれた。
「いつ…私は離れないといけないの…?」
しばらくお母さんは話さなかった。
「………し…」
「えっ…?」
「明日よ………」
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