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「……んぅ?」
ボクは窓から差す朝日に目を覚ます。
何か……懐かしいのを見たな。
「よう、やーっと起きやがったか。 どうでも良いが今の声かなり間抜けだったぞ?」
酒焼けしたオジサンの様な、はたまた若い青年の様な。
その両方を連想する変な声がした。
「んーっ……はぁ。 わざわざそんな事言わなくて良いよ、黒鬼君?」
横にしていた体の上体を上げて、伸びをする。
その拍子に、着ているTシャツを胸が押し上げる。
むぅ……少し苦しくなるけど、やっぱり寝てる間もさらしを巻こうか。
これは邪魔だ。
そしてそんな事を思いながら言い、横を見ると、クローゼットの中に収まってニヤニヤした表情を見せる巨大な烏が居た。
「そうは言うが、本当の事を言ったまでだぞ?」
「あー……うん、そうですか。 とりあえず、何でクローゼットの中に収まってるか聞いて良い?」
『巨大な烏』と言われてもピンと来ないと思うから詳しく言おう。
体長にして1.5mはありそうな烏が、縦にクローゼットに詰まってる。
かなり窮屈そうだ。
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