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手早くそれらを見に着けて、黒いネクタイを緩めに締める。
そしてもう一つのハンガーに掛けてある真っ黒なコートを羽織り、着替え終了。
「はい、終わったよー」
「よし、なら助けろ!」
報告すると同時、怖い顔してそう言われた。
……助け無きゃ後でぶちぶち言いそうだし仕方無いか。
「はいはい、解ったよーカラス君」
カラス君……それが、クローゼットに詰まっている彼の呼び名だ。
どうやら名前が無いらしく、私が見たままにカラス君カラス君と呼んでたら何時の間にか定着していた。
「おう、早くしてぐりゅえ゙」
とりあえず喋ろうとしてるカラス君の喉元を掴む。
……ぎゅうぎゅう詰め過ぎて、首位しか持つ所が無いから仕方無い。
「苦しいだろうけど、我慢してねー?」
「グリ゙ュア゙サグタバ……グガァ゙!」
とりあえず全力で引っ張ってみた。
クローゼットからはミシミシと音がして、カラス君からは奇声が漏れるけどとりあえず引き抜く事には成功した。
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