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「がはっ……おいコラ夏無よ、もーちょっとマシな助け方出来ねぇのかあぁん?」
「あっはっは、無理だよー」
引き抜いた後も奇声を発しまくるカラス君を床に転がしておくと、突然起き上がって怒られた。
そんな怒るならそもそもクローゼット何かに入らなきゃ良いのに……。
カラス君はまだギャーギャー言って来るけど、とりあえず無視して部屋から出る事にした。
「おいコラお前無視すんなや!」
戸を開け、何か騒いでるカラス君をスルーして部屋から出て、戸を閉める。
まだ中でギャーギャー言ってるけど……まぁ飽きたら出てくるでしょ。
カラス君を放っておいて、ボクは廊下を歩く。
今更ながら、ここは国が管理する寮だ。
木造で三階建ての構造になっていて、何ともボロい。
一階に十部屋位あるけど……今の所ここを使用するのは自分とカラス君を含めて七、八人程度しか居ない。
その上、皆仕事柄寮にいる時間や日にちがバラバラだから顔を会わす事も少ない。
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