DTM仕込みのスペシャリスト

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慎太郎 「クソッ、全然仕掛けられねぇわ…。」 これから順位が入れ替わることなく、8周目に突入した。 嘉穂 「ん~、なかなか離れないわね…。」 慎太郎 「なんとかして隙を付かねぇとな…。 あっ、そうか! このやり方ならパスできる!?」 慎太郎の理論はこうだ。 この緩いコーナーが多い榛名湖で、嘉穂のRX-8は結構インベタで走っている。 そのため、ここではパスできないが、1つだけヘアピンがある。 ここでは基本アウト・イン・アウトで攻略するのだが、慎太郎は少しコーナリングを遅らせ、クリッピングポイント(CP)を奥にずらしてアウトから巻こうというのだ。(図は写真にて) 慎太郎 「このやり方しかねぇな。 よし、仕掛けるか!!」 ちょうどヘアピンがさしかかった。 慎太郎は車を一気に横に出した。 嘉穂 「あれ! いない…??」 慎太郎 「俺はここだよ!」 嘉穂がブレーキングしたが、まだ慎太郎は踏んでいない。 慎太郎 「ここだっ!!」 アルテッツァがコーナーをアウトぎりぎりから鋭角に曲がり、立ち上がりでインを付いた。 嘉穂 「何よそれ!!」 アルテッツァはグンと加速し、嘉穂の前に出た。 嘉穂 「やるじゃん。 柳くん。 だけど、あたしもあきらめない!!」 嘉穂はアルテッツァのスリップストリームに付き、追いすがる。 慎太郎 「よし、 これう使う時が来たな。」 慎太郎はグローブボックスを開けた。 そこにはひとつ、赤いボタンがあった。 それを押すと… ブシュン!! ヒュィィィイン!! ニトロだ! 慎太郎 「良好良好!! いいぞぉ、俺のアルテッツァ!!」 嘉穂 「ニトロなんて聞いてないわよ!!」image=286290888.jpg
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