インテ兄弟

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慎太郎は毎日、八方ヶ原へ走りこみに行った。 だが、何度走ってもなかなかタイムが縮まらない…。 慎太郎 「はぁ…。 こんな調子じゃヤバいな…。」  「なんかあったんか?」 どこかで聞き覚えのある声…。慎太郎ははっと振りかえった。 慎太郎 「おぉ! 悠斗じゃんか! でも何でこんなとこに…?」 慎太郎の友達で、現レーシングドライバーの川上 悠斗だ。 生粋の関西人で慎太郎が関西の大学に通ってた時、何かと協力していたんだとか…。 悠斗 「何で?って、ちょっと気晴らしやな。 せや、お前、今度ここで走るんやろ?」 慎太郎 「まぁ… そうなんだけどさ。 でも…」 悠斗 「どうしてもタイムが縮まらん! ってか?」 慎太郎 「…まぁ。 軽くスランプ状態だな…。」 悠斗 「まぁ見てたらライン取りバラバラやし、全体的にスピード乗りすぎてんちゃうか? もうちょっとスピード落としてもええ気がするんやけど。」 慎太郎 「そうかなぁ…」 悠斗 「このコースは、ドリフトよりも、いかに自分の車を手足の様に操れるか… そこが問題やな。」 慎太郎 「そうか…。 なぁ、ちょっと走ってくれないかな…? 俺ナビに乗って、いろいろ研究したいからさ。」 悠斗 「ええよー。 慎太郎の車は?」 慎太郎 「あれ。」 悠斗 「インプレッサか…。 まぁ、ええか。」 悠斗と慎太郎はインプレッサに乗り込み、走りだした。 悠斗 「このコースなら基本的には60~70キロ位がちょうどええ気がするなぁ。 つうかさぁ、お前、さっき俺がずっと後ろ走ってたのに気づかんかったんか??」 慎太郎 「はぁ!? いつからさ?」 悠斗 「最初からや。 走り方見てすぐお前やってわかったわ。 相変わらず駆動方式関係なくブンまわして… タイヤ持たへんやろ?」
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