みんなの笑顔をこの胸に

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こうして歩いてると 思い出す… 酔っぱらいのカラミ さすがにこの時間帯 ってよりも 街から離れてるから 人もろくに歩いてない       『ハァ~サミィ~』     『北海道の冬はもっと寒いんでしょ?』     『ん…雪降るし…だけど降った後に太陽出てきたら暖かいぞ』     『そうなんだ…一回は行ってみたかったな…』     返す言葉がない 昔の俺なら    〈じゃあ行こう‼〉   そんな言葉を掛けたかな 今の俺には言えない 言っちゃ駄目な言葉       『……家着いたらスグお湯沸かすからさ……』     返事は無かった もうすぐ家に着く… 家に着くまでの距離が 何万キロにも感じる 重い空気の中 手だけが強く強く 握られていた
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