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もし
あの時逢わなければ
もし
好きにならなければ
もし
最初から友達止まりなら
二人は
どーなってたのかな
ようやく家に着いた
ほんの数分歩いただけ
その数分が
数時間にも感じた
帰りは特に話さず
ただ手を握っていた
『たっだいまぁ~』
家に着くなり
手の温もりが離れ
繋いでいた左手が
寂しいねと
少しづつ冷たくなる
『スグ、お湯沸かすからさ…待っててな』
『……うん』
全然話さなくなってきた
会話が続かない
お湯ばかり気にしてられない
『今日は店は忙しかったか?24日楽しみだね‼』
何をどー話せば良いか
無い頭をフル回転
思い付くこと全て
ミドリに話し掛ける
だけど…返ってくる返事は
〈ウン…〉
一言の返事で終わる…
来たときに見せた
笑顔がスッカリ無くなり
うつ向きながら
一言返事するだけ
ピーー
『お湯沸いたね…持ってくるわ』
やっぱ
俺が悪いんだよな
彼女から笑顔を消した
嘘でも…
〈北海道連れていく‼〉
言えば良かった?
言えないよ
傷付けるのが
目に見えるから…
『ヒロ…』
後ろに
ミドリが立っていた
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