自殺未遂

2/2
1142人が本棚に入れています
本棚に追加
/73ページ
その夜 俺はみんなが寝静まったのを確認して枕のカバーを外した。 カバーに頭を入れ、首の方まで持っていき自分の手で引っ張った! 苦しい… 時折、躊躇してはまた首を絞めた。 「おい!何してんだ!」 見回りの警察官が怒鳴る。 「3室解除!!」 俺は引きずられるようにして保護房に入れられた。 「428番!お前なにやってんだよ!この中で死ぬなんて許さないぞ!」 別に死のうなんてしてね~よ! 寝れね~から自分で落とそうとしただけだよ! 俺は言い訳をした。 自殺行為は24時間監視される独房に移されるからだ。 独房は…聞いた話しによると真っ白い柔らかい壁で四方囲まれていて、ご飯も警察官が握る具も無いオニギリが2つ出るだけ。 話し声も全く聞こえない孤独な世界らしい。 俺の言い訳は通らなかった。 取調室に連れて行かれてそれから3時間近く調書を取られた。 俺の中でふと子供達の顔が浮かんでいた。 俺がこんな所で死んだらなんて思うだろう? 何やってんだ俺は! 全てから逃げ出したくなってた。 でも俺の人生こんな終わり方で良いのか? と考えた時、冷静になれた。 俺はもうやらないと誓って1日だけ保護房に入れられた。
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!