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その夜
俺はみんなが寝静まったのを確認して枕のカバーを外した。
カバーに頭を入れ、首の方まで持っていき自分の手で引っ張った!
苦しい…
時折、躊躇してはまた首を絞めた。
「おい!何してんだ!」
見回りの警察官が怒鳴る。
「3室解除!!」
俺は引きずられるようにして保護房に入れられた。
「428番!お前なにやってんだよ!この中で死ぬなんて許さないぞ!」
別に死のうなんてしてね~よ!
寝れね~から自分で落とそうとしただけだよ!
俺は言い訳をした。
自殺行為は24時間監視される独房に移されるからだ。
独房は…聞いた話しによると真っ白い柔らかい壁で四方囲まれていて、ご飯も警察官が握る具も無いオニギリが2つ出るだけ。
話し声も全く聞こえない孤独な世界らしい。
俺の言い訳は通らなかった。
取調室に連れて行かれてそれから3時間近く調書を取られた。
俺の中でふと子供達の顔が浮かんでいた。
俺がこんな所で死んだらなんて思うだろう?
何やってんだ俺は!
全てから逃げ出したくなってた。
でも俺の人生こんな終わり方で良いのか?
と考えた時、冷静になれた。
俺はもうやらないと誓って1日だけ保護房に入れられた。
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