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大宮警察署に到着すると迷路のような廊下を通り取調室に入る。
ドラマで見たような殺風景な部屋に机とパソコンがあり刑事が3人入ってきた。
後から普通の警官が入って来た。
どこかで見た顔…何時間前に俺が引き取りカードにサインをした福永巡査だ。
「佐藤さん、さっきはまんまと騙されたよ!私があの時に気づいてあげれればこんな事にならなかったのに…」
などと意味深な言葉を残し部屋から出て行った。
取調をする刑事は険悪な表情をしながら
「テメーはどこの組だ?それとも構成員か?」
なにをそんなにいきり立ってるんだ?組?構成員?意味が分からない。
「普通の一般人ですけど…」
表情が変わった。
「一般人がわざわざ警察署に乗り込んで来て誘拐なんかするか?」
誘拐?俺って誘拐犯なの?
俺はこの雰囲気にのまれないように冷静に応えた。
「なにか勘違いをしてるみたいですが…俺は人助けしただけですよ。親から暴力を振るわれてる佳奈が助けてとメールをして来たので助けただけです!」
そんな言葉は届いてなかった。
「テメーのおかげでどれだけの人員が出てると思ってんだ?こっちは関東圏内に大捜査線張ってんだよ!」
何を大げさな事を言ってんだ?
頭の中には織田裕二が出てきてた。
レインボーブリッジ封鎖できませぇん!
こんな事態にお気楽な頭だ。
事の重大差に気づいてなかった俺がいた。
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