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「えっ!? 入院ってどこか悪いの? それとも怪我?」
「ちょっと色々あってね……寝たきりになっちまったんだ」
涼子の問いに准汰は無言で答えた為、代わりに雄大が口を開く。
「えぇー!? 寝たきりってどうして?」
「うん、ちょいとトラブルって言うか……」
「うるせーな。いちいち説明してる場合じゃねぇんだよ。大体、女一人でこんなとこに来るな。帰れよ」
准汰は雄大の言葉を遮り涼子を怒鳴り付けた。涼子は訳が分からず呆然とする。
「あー御免ね、涼子ちゃん。今ジュンの奴気が立っててさ。悪気はないんだ、許してやって」
透かさず雄大がフォローする。涼子は小さく頷いた。
准汰は再び裏口に向かって歩き出す。雄大と涼子もその後を追い掛ける。
准汰は裏口に着くと扉に飛び付いたが、やはり鍵が掛かっていて扉は開かなかった。
「チキショー。誰か居ねぇのか。おい、開けろよ」
准汰は叫んだ。何度も何度も扉を叩く。
涼子はそんな准汰の後ろ姿を心配そうに見守る。
「やっぱ居ねぇって。諦めて帰ろうぜ、ジュン」
雄大は言ったが准汰は耳を貸さなかった。
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