第三章 闇(病み)

4/7
前へ
/174ページ
次へ
准汰は独りになり、本格的な引きこもり生活を始めた。 部屋のカーテンを開けることはなく、電気は消したままで常に真っ暗な部屋で過ごす。 不眠に悩まされてることもあり、生活は完全に昼夜逆転をする。 起きている間はとにかく自分を責め続け、また悔やみ――泣き続けた。 沙夜を傷付けた罪 子供を殺した罪 賢斗を助けなかった罪 翔四季を救わなかった罪 いつまでも働けない罪 自分が生きていることの罪 准汰の心はバランスを崩し、真っ黒に染まり始めていた……。 准汰は働けない後ろめたさから紀美子と顔を合わすことも避けた。 その為に准汰は部屋から一歩も出れなくなる。 トイレはゴミ箱の中で済ませ、紀美子が出掛けてる隙にトイレに流し捨てる。 准汰に風呂に入るという感覚がなくなり、入浴は一ヶ月に一回しかしなくなった。 部屋に篭りっきりの為、身形にも一切気を遣わなくなる。 一ヶ月は同じ衣類、下着を身につけたままで過ごす。 髪は伸び放題、髭も薄い毛が数本だらし無く伸びたまま。 以前は整えていた眉毛も、引きこもった准汰にはその必要もなかった。
/174ページ

最初のコメントを投稿しよう!

105人が本棚に入れています
本棚に追加